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日本で暮らすベトナム人女性のなかには、長期的かつ確実な避妊を望みつつも、「毎日の服薬が面倒」「飲み忘れが心配」と感じている方が少なくありません。
婦人科で相談できる避妊法の一つに子宮内避妊具(IUD:しきゅうないひにんぐ)や子宮内避妊システム(IUS)があります。日本で広く知られている代表的な製品がミレーナ(Mirena)です。
ミレーナは、医師が子宮内に挿入する小さなT字型の医療機器です。子宮内で黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を少しずつ持続的に放出します。
このホルモンの作用により、子宮頸管の粘液が濃くなって精子の進入を防ぐとともに、子宮内膜が厚くなるのを抑えます。そのため、非常に高い避妊効果を発揮します。
また、子宮内膜を薄く保つ作用があるため、経血量の減少や生理痛の軽減効果も期待できます。そのため日本では、避妊目的だけでなく以下の治療としても承認されています。
妊娠中の方、骨盤内感染症や性器感染症がある方、原因不明の不正出血がある方、子宮疾患やがんの既往がある方などは装着できません。
なお、未妊婦(出産経験のない方)でも装着は可能です。子宮や子宮頸管の状態、出産歴などを考慮して医師が適否を判断します。
受診する際は、以下の診療科を探しましょう。
すべてのクリニックでミレーナの装着を行っているわけではないため、事前に電話やウェブサイトで確認することをおすすめします。
「ミレーナの挿入について相談したいです。」
「避妊目的でミレーナを希望しています。」
通常は事前の診察・検査が必要です。
月経周期、過去の妊娠・出産歴、病歴、服用薬、希望理由などを確認します。必要に応じて内診、超音波(エコー)検査、妊娠検査、感染症検査などを行います。
問題がないことが確認されてから装着日を決定します。妊娠初期の誤挿入を防ぐため、通常は生理開始から7日以内に装着します。
痛みの感じ方には個人差があります。
器具が子宮頸管を通るため、生理痛のような鈍痛を感じる方もいれば、強い痛みを伴う方もいます。経膣分娩(普通分娩)の経験がない方は子宮口が狭いため、痛みを感じやすい傾向があります。
医療機関によっては、鎮痛剤や局所麻酔を使用する場合もあります。痛みに不安がある方は事前に相談しましょう。
「痛みに弱いのですが、麻酔や鎮痛剤は使用できますか。」
「避妊目的の場合、全部でいくらぐらいかかりますか。」
装着後は定期的な経過観察が必要です。
一般的には装着後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、その後は1年に1回の定期検診を行います(通院スケジュールは医療機関により異なります)。
検診では、ミレーナの位置がずれていないか、脱落していないか、出血の状態や感染症の有無などを確認します。
装着後の数ヶ月間は、不正出血や茶色いオリモノ、不規則な出血が続くことがあります。これは多くみられる経過であり、必ずしも異常ではありません。
時間が経つにつれて経血量は大幅に減少し、生理痛も軽減します。人によっては生理がほとんど来なくなることもあります。
ただし、出血量が非常に多い場合や激しい痛みを伴う場合は、早めに婦人科を受診してください。
以下の症状が現れた場合は、定期検診を待たずに受診してください。
ごくまれなリスクとして、子宮穿孔(しきゅうせんこう:器具が子宮壁を突き破ること)や骨盤内感染症、器具の自然脱落が挙げられます。位置がずれると避妊効果が低下するため注意が必要です。
生理が遅れている場合や妊娠の初期症状がある場合は、市販の妊娠検査薬を使用し、すぐに婦人科へ連絡してください。
ミレーナ装着中の妊娠は非常にまれですが、発生した場合は異所性妊娠(子宮外妊娠)のリスクを排除するために早期確認が必要です。
授乳中や産後の装着も可能ですが、子宮の回復を待つ必要があるため、産後少なくとも6週間以上空けることが推奨されています。産後すぐの装着は子宮穿孔や脱落のリスクが高まるため、必ず医師と相談の上で時期を決定してください。
どちらの避妊法にもメリット・デメリットがあります。
避妊方法 | メリット | デメリット |
ミレーナ(IUS) | 毎日の服薬が不要、最長5年有効、経血量・生理痛の軽減 | 処置(装着手続き)が必要、定期検診が必要 |
低用量ピル | 処置が不要、自分の意思ですぐ中止可能 | 毎日の服薬管理が必要、飲み忘れのリスク |
コンドーム | 性感染症(STD)の予防が可能 | 破損・脱落による避妊失敗のリスク |
ご自身の年齢、健康状態、今後の人生設計に合わせた最適な方法を選ぶことが大切です。
ミレーナの装着は特別なことではなく、ご自身のライフスタイルや健康を主体的にコントロールするための選択肢の一つです。
友人やSNSの情報だけに頼らず、まずは婦人科の医師に相談してみましょう。
「自分に合う避妊方法について相談したいです。」
この一言から、あなたに最適なヘルスケアの一歩をスタートしてみませんか?