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3月31日午前、東京都墨田区の賛育会病院は、意図しない妊娠をした女性を支援するための新たな2つの措置として、「赤ちゃんポスト」と「内密出産」の導入を発表しました。両制度を同時に運用する医療機関としては、熊本市の慈恵病院に続き日本で2例目となります。
同病院に設置された赤ちゃんポストは「いのちのバスケット」と名付けられ、何らかの事情で育てられない新生児を親が匿名で預けることができます。記者会見において、病院長の加藤格氏は「乳幼児虐待による死亡事件など、痛ましい事態が後を絶ちません。赤ちゃんの命を守るための最後の砦としてこの事業を開始します」と述べました。
また同日の記者会見では、妊婦が病院の特定担当者にのみ身元を明かして出産する「内密出産」の導入も発表されました。母親の本名は子供の戸籍や出生届に記載されません。これにより、意図しない妊娠をした女性が身元を隠したまま安全に出産できるようになり、乳児遺棄や危険な孤立出産の減少につながると期待されています。
厚生労働省および法務省が発行した通知に基づき、内密出産に関する手続きは自治体および医療機関向けのガイドラインに沿って進められます。内密出産の事例が発生した場合、病院は江東児童相談所に連絡を行い、新生児は児童福祉法に基づき「要保護児童」として保護されます。同相談所からの情報に基づき、墨田区は戸籍法の規定に従って父母欄を空欄とした戸籍を作成します。
母親の身元情報および内密出産に至った背景は病院側で厳重に保管され、将来的に子供が自らのルーツ(出自)を知る権利を保証するための配慮がなされます。
諸外国では内密出産を支える法制度が整っている国もありますが、現在日本には具体的な法律上の根拠や公的な支援制度が確立されていません。内密出産によって誕生した子供の症例が積み重なる中、病院や自治体は母子の権利と利益を守るための法的整備を早期に進めるよう政府に強く訴えています。