
「美味しい食事で健康を損なわないために最も大切なこと」
日本には、和食を中心とした美味しい食べ物がたくさんあります。
在日・来日ベトナム人が、日本で夢を叶えるための基盤になる「健康」を維持増進していただくためには、日本で食べる「食事」が最も重要です。美味しい食べ物を、何も考えずに食べていると、健康を損なってしまうことがあります。日本で唯一、食事と健康をつなぐ国家資格者である管理栄養士が、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の国で、自身の健康を損なわないための食事の選び方と食べ方について、これからシリーズでお届けします。
このシリーズは、管理栄養士として 30 年以上の経験を持ち、国内外で教育指導してきた人は延べ 8,000 人以上になります。現在、大学の特任教授として専門家の育成に携わる國井先生が、最新の知見に基づく考え方を分かりやすくお届けします。
國井先生が提唱している考え方に「実践食事学」があります。「実践食事学」とは、國井先
生が新たに創った考え方で、「体験を通じた学び」が最も優れた特徴です。
在日・来日ベトナム人の方々には、食事に関する学びを受けていない人も多くいると思います。知っていても、知らなくても、わたしたちの身体は同じ反応をします。だから、何も考えずに食べていると、体重が増えたり、病気になってしまうことがあります。
でも、日本に来て、わざわざ食事に関する勉強をしたい人は多くないかもしれません。だか
ら、國井先生が提唱する、実際の生活の食体験を通じて学べる「実践食事学」が、みなさんの役に立つと考えました。
日本人とベトナム人は、体質的にも食文化的にも近い環境で生活しているので、日本の栄養
管理の技術が、ベトナムの人たちにも役に立つと思っています。もちろん、実践食事学を通じた食体験の後で、もっと学びたければ、専門的な知識や技術を学ぶこともできます。
そして、みなさんひとりひとりが、故郷にいるベトナムの人たちに、日本には、和食だけではなく、栄養教育によって健康長寿が実現されていること、食体験を通じた学びがあることを伝えて、一緒に社会貢献ができることを願っています。
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執筆:國井 大輔
十文字学園女子大学 特任教授
管理栄養士・上級心理カウンセラー
元厚生労働省 健康局 生活習慣病対策室 栄養指導係長