
2024年も、日本国内で、麻しん(はしか)患者発生がニュースになりましたが、2025年に入ってからも、各地で麻しん患者が発生しています。感染経路が不明なケースもありますが、海外で感染し国内で発症したものが多くなっています。
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1月13日に羽田空港から高知空港へ移動、15日に高松空港から羽田空港へ移動。羽田空港からは空港連絡バスで所沢駅東口へ移動しました。感染経路は不明です。
1月18日にベトナムから帰国後、21日に発熱、22日下痢の症状。27日に全身に発疹が現れたため市内医療機関に入院。感染源は国外からの持ち込み。
1月15日にベトナムから帰国後、31日に発熱、2月2日発疹の症状が出現。1月30日に倉敷〜岡山間を鉄道で移動しています。感染源は国外(ベトナム)からの持ち込みの可能性が高いとされています。
2月14日に発症、主な症状は発熱、発疹、鼻汁、咳、腸炎。14日に名古屋駅から関西国際空港まで高速バスを利用。関西国際空港から出国。21日関西国際空港に帰国。泉佐野市のメディカルモールを利用後、市内宿泊施設に宿泊。
2月4〜8日ベトナム滞在、14日〜21日イタリア・フランス滞在。14日発熱、20日発疹。その他の症状として咳、鼻汁、腸炎があり入院。13日に愛知県内の公共交通機関を利用、14日に高速バスで名古屋〜関西国際空港へ移動、出国。21日に関西国際空港に帰国後、泉佐野市内のホテルを利用。
発症前に海外渡航。2月16日に発症。主な症状は発熱、発疹、咳、鼻水、結膜充血、下痢。入院して治療をうけ、快方に向かっている。15日に門真市、17日に大阪市の商業施設を利用。
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。感染すると約10日後に発熱やせき、鼻水と言った風邪のような症状が現れます。2〜3日熱が続いたあと、39℃以上の高熱と発しんが出現します。肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎を発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1000人に1人と言われています。麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%が発症すると言われています。
典型的な麻しんの発症例では、感染後10~14日間の潜伏期を経て、以下の経過をたどります。
(1)カタル期:38℃前後の発熱、上気道炎症状等、経過中に頬粘膜にコプリック斑出現
(2)発疹期:39℃以上の発熱、頭頚部より発疹が出現して全身に広がる
(3)回復期
カタル期が最も感染力が強い時期となっており、カタル期で麻しんであることに気づかずに行動することが、感染を広げる原因となります。合併症として肺炎、中耳炎、脳炎、心筋炎等があり、2000年に大阪で麻疹が流行した際には入院率は40%を超えました。未だに有効な治療方法はありません。
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長の安井良則医師は、「2015年から日本は、“麻しん排除状態”とされており、国内で感染するということはなく、海外で感染して国内で発症する例がほとんどです。しかし、今後は、国内で発症した人から感染するという例が出てくることが予想されます。昨年あたりから、麻しんが流行している海外から、継続的に国内に流入しています。現在、大きな流行にはなっていませんが、いずれ国内循環する可能性も否定できません。麻しんは、もっとも感染力が強い感染症で、同じ部屋にいるだけで感染する可能性があります。行政機関が利用した施設・交通機関を公表しているのは、そのためです。公表された施設を利用した方に、発熱などの症状があれば、まずは医療機関に、電話で相談してください。そして受診する際に、公共交通機関を利用することは避けてください。また、今年は大阪万博があり、海外からの渡航者が増えることが確実ですので、麻しんウイルスが入ってくる機会が増し、感染・発症する人も出てくるのではないかと考えています」と話しています。
麻しんはワクチンで予防ができる感染症です。現在は定期接種となっており、1歳になった時と、小学校入学前の1年間の2回接種します(多くはMR=麻しん風しん混合ワクチンが接種されます)。ワクチンを接種すると1回で95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得でき、2回接種すれば、1回では免疫がつかなかった多くの方に免疫をつけることができるといわれています。
引用
東京都保健医療局:「麻しん(はしか)患者の発生について」(1月22日)
岡山県岡山市:「麻しん(はしか)の注意喚起〜麻しん患者の発生について」(1月31日)
岡山県倉敷市:「麻しん(はしか)の注意喚起〜麻しん患者の発生について」(2月4日)
大阪府:「麻しん(はしか)に関する注意情報」(2月21、23日)
愛知県保健医療局:「麻しん(はしか)患者の発生に伴う注意喚起について」(2月23日)
厚生労働省:麻しんについて
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長 安井良則氏