
日本に住むベトナム人の保護者の多くは、子どもが痛みを訴えたり、食事を嫌がったりしたとき、あるいは3歳児健診で歯科医から「たくさんむし歯がありますね」と言われて初めて、子どものむし歯に気づきます。乳歯のむし歯はとてもよくある病気ですが、原因を正しく理解し、早い時期からケアを始めれば、ほぼ完全に予防できる病気でもあります。
この記事では、乳歯のむし歯のサインの見分け方、ベトナム人の子どもがむし歯になりやすい理由、歯が痛いときの対処法、そして日本で小児歯科を受診しやすくする方法をご紹介します。
乳歯はエナメル質が薄いため、大人の歯よりもむし歯の進行が速いのが特徴です。毎晩の歯磨きのときに、お子さんの歯をチェックしましょう。
歯と歯ぐきの境目に、チョークのような白く濁った部分が現れます。上の前歯の表側によく見られます。これはエナメル質から歯のミネラルが溶け出し始めている状態です。この段階で見つかれば、削って詰めることなく、フッ素によって歯の再石灰化を促すことができます。
白い部分が黄色、茶色、黒色に変わり、小さな穴があいて食べ物が詰まりやすくなります。甘いものや冷たいものがしみるようになります。
歯を痛がる、夜泣きする、片側だけで噛む、硬いものを食べたがらない、口臭がある、歯ぐきが赤く腫れて歯の根元に小さな膿のできものがある、頬が腫れて熱が出ることもある、といった症状が見られます。これは感染のサインですので、できるだけ早く受診させてください。
むし歯は、口の中の細菌(主にミュータンス菌)が糖分から酸を作り、エナメル質を溶かすことで起こります。ベトナム人の家庭によく見られるいくつかの習慣が、この過程を早め、進行を速めてしまいます。
眠っている間は唾液の分泌が少なくなるため、ミルクが一晩中歯の周りに残ります。これが「哺乳瓶むし歯」、つまり上の前歯が一斉にむし歯になる最大の原因です。
大切なのは糖分の量だけでなく、食べる回数です。甘いものを口にするたびに、歯は約30〜60分間酸にさらされます。お菓子や加糖ミルク、果汁、飲むヨーグルトなどを一日中ちょこちょこ口にしていると、歯が回復する時間がほとんどありません。
口移しで食べさせる、自分のスプーンで冷ましてから食べさせる、コップを共有する、口にキスをするなどの行為で、むし歯菌が大人から子どもにうつることがあります。保護者や祖父母に治療していないむし歯がある場合、そのリスクはさらに高くなります。
日本では、子どもが自分で磨いた後に保護者が仕上げ磨きをすることが推奨されており、9〜10歳頃まで続けるのが目安です。小さな子どもは、噛み合わせの面や歯と歯の間をきれいに磨けるほど手先が器用ではありません。
子どもが飲み込んでしまうのを心配して水だけで磨いたり、フッ素の入っていない歯磨き粉を選んだりする保護者も少なくありません。しかしフッ素は、エナメル質を強くし、むし歯を防ぐ効果が証明されている成分です。
乳歯は永久歯が生えるためのスペースを確保し、噛む、話す、あごの骨の発達を助ける役割があります。乳歯のむし歯が重くなると、永久歯の歯並びが悪くなったり、下から生えてくる永久歯に影響が出たりすることがあります。
小児歯科がどこにあるかわからない、日本語で症状をうまく説明できない、歯科医の説明が理解できない、といった理由から、痛みが出るまで子どもを連れて行かない家庭が多くあります。その時点では治療が複雑になり、子どもの負担も大きくなりがちです。
以下の方法は受診までの間に子どもを楽にするためのもので、歯科での治療に代わるものではありません。
すぐに受診が必要なケース: 頬や顔が大きく腫れている、発熱がある、腫れが首や目の周りまで広がっている、ぐったりしている、飲み込みにくい。夜間や休日は、#8000(子ども医療電話相談)に電話して相談するか、地域の休日歯科診療所を探してください。
最初の歯が生えたら歯磨きを始めましょう。2023年の日本の歯科関連学会の推奨によると、3歳未満は1000ppm程度の歯磨き粉を米粒程度、3〜5歳は5mm程度、6歳以上は1500ppmの歯磨き粉を1〜1.5cm程度使用できます。磨いた後は泡を吐き出す程度にし、少量の水で軽くすすいで、フッ素が歯に残るようにしましょう。
子どもを膝の上に寝かせ、奥歯の噛み合わせの面と歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨きます。歯と歯の間が詰まってきたら、子ども用のデンタルフロスも使いましょう。
おやつは1日1〜2回と決め、だらだら食べを避けましょう。ジュースや甘い飲み物の代わりに、水や麦茶を選びましょう。夜の歯磨きの後は、水以外は口にしないようにします。
歯が生えてきたら夜間の授乳を控え、哺乳瓶をくわえたまま寝かせないようにしましょう。夜間授乳が必要な場合は、その後に歯を拭いてきれいにしてあげてください。
口移しをせず、スプーンや箸、コップを子どもと共有しないようにしましょう。保護者や世話をする人も、自分のむし歯を治療しておくことが大切です。
痛みがなくても受診しましょう。歯科医が検査、クリーニング、フッ素塗布、歯磨き指導を行います。奥歯の溝が深い場合は、シーラントで溝を埋めてむし歯を予防することもあります。
市区町村の1歳6か月児健診と3歳児健診には歯科健診が含まれています。多くの自治体では子ども医療費助成が歯科にも適用され、フッ素塗布を無料または低価格で受けられるところもあります。詳しくはお住まいの自治体の窓口でご確認ください。
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早めの一度の受診が、後々の大変な治療からお子さんを守ることにつながります。
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初めての歯科受診はいつがよいですか?
最初の歯が生えたとき、または1歳になる前に受診し、その後は3〜6か月ごとに定期検診を受けましょう。
小さな子どもにフッ素入り歯磨き粉を使っても大丈夫ですか?
はい。3歳未満は1000ppm程度の歯磨き粉を米粒程度使用します。この量であれば、少し飲み込んでしまっても安全です。
乳歯のむし歯は治療する必要がありますか?
はい。乳歯は永久歯のスペースを確保する役割があり、むし歯が重くなると感染を起こしたり、後から生える歯に影響したりすることがあります。
日本で子どもの歯科受診に費用はかかりますか?
多くの自治体で歯科を含む子ども医療費助成があるため、費用は低額または無料になることが多いです。助成内容はお住まいの地域によって異なります。
夜間や休日に子どもが歯を痛がったらどうすればいいですか?
#8000に電話して相談するか、地域の休日歯科診療所を探してください。頬が大きく腫れている、発熱がある、飲み込みにくいといった場合は、すぐに受診してください。