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「本人がほとんど食べられず、何を食べても苦く感じるようです。粉ミルクや栄養補助食品を購入したほうがよいでしょうか?」
これは、がん患者のご家族から医師、薬剤師、管理栄養士に寄せられる最も多い質問の一つです。結論から言うと「使用してもよいが、適切なタイミングで、適切な製品を、適切な目的のために使う必要がある」となります。
栄養補助食品は食事の代わりにはならず、がんを治療する効果もありません。しかし、多くの場合、患者が抗がん剤治療を継続するための体力維持を支える「栄養の架け橋」となります。
化学療法中の患者が食欲不振になる理由は?
患者が「食べようとしない」のではなく、身体が多くの障害に直面しているためです。
抗がん剤治療中には、以下のような症状が現れることがあります:
また、がんそのものが代謝を変化させ、エネルギー消費量を増加させる一方で、栄養の利用効率を低下させます。これが体重減少や筋肉量低下を引き起こす要因の一つです。
最初の目標は「しっかり食べさせること」ではない
衰弱を恐れるあまり、ご家族が無理に多く食べさせようとすることがあります。
しかし、栄養の専門家は以下の点をより重視するよう推奨しています:
1回の食事で数口しか食べられない場合は、一度に無理をして食べさせず、1日の食事回数を小分け(分割食)にしてください。
栄養補助食品を検討すべきタイミング
以下のような症状が見られる場合は、栄養補助食品の利用を検討してください:
このような場合、経口栄養剤を使用することで不足しているエネルギーを補うことができます。
「栄養補助食品(サプリメント・栄養剤)」の分類と選び方
1. 総合栄養食品(最優先)
最も推奨されるタイプです。小容量で以下の栄養素をバランスよく補給できます:
2. エネルギーゼリー
3. タンパク質補給パウダー
4. ビタミン・ミネラル補給製品
味覚障害がある場合の対応策
抗がん剤治療中で非常に多く見られる症状です。
「すべてが苦く感じる」「金属味がする」「味がしない」「甘すぎ・しょっぱすぎる」と感じることがあります。従来の味付けに固執せず、以下を試してみてください:
また、亜鉛は味覚細胞の再生に関与しているため、食事からの摂取が不足している場合は亜鉛を豊富に含む食品や栄養素の補給が推奨されます。
大量のサプリメントを購入する必要はあるか?
いいえ、多ければ多いほど良いというわけではありません。
日本栄養士会などの指導資料でも、以下の点が強調されています:
ご家族が覚えておくべき6つの原則
化学療法期における目標は「たくさん食べること」ではなく「治療を続けるためのエネルギーを維持すること」です。
1パックの栄養乳飲料、1個のエネルギーゼリー、1杯の柔らかいお粥は、単なる食べ物ではなく、困難な時期を乗り越えるための「蓄え」となります。
民間療法や自己判断で大量のサプリメントを購入するのではなく、医療従事者の指導のもとで適切な製品を適切なタイミングで使用することが大切です。