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高額療養費制度とは?医療費が高くなっても安心!

高額療養費制度とは?医療費が高くなっても安心!

clock2026/05/11

マイナンバーカードで手続きも簡略化

日本の公的医療保険制度には、「高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)」という心強い仕組みがあります。これは、1ヶ月の医療費が一定の限度額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。

入院や手術などで医療費が10万円を超えるような場合でも、自己負担額には上限があるため、経済的な不安を大きく軽減できます。この制度は、国民健康保険や協会けんぽなど、すべての公的医療保険に共通して適用されます。


1. 制度の基本原理

この制度は、同じ医療機関で1ヶ月(月の初めから末日まで)に支払った保険診療の自己負担額(原則3割)を対象とします。この支払額が、所得に応じて定められた「自己負担限度額」を超えた場合、その超過分が支給されます。

【70歳未満の自己負担限度額(年収別目安)】

所得区分

年収の目安

1ヶ月の自己負担限度額の計算式

区分 A

約1,160万円〜

252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1%

区分 B

約770万〜1,160万円

167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1%

区分 C

約370万〜770万円

80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1%

区分 D

〜約370万円

57,600円

区分 E

住民税非課税世帯

35,400円

※加入している保険の種類や家族構成により、詳細な金額が異なる場合があります。


2. 「限度額適用認定証」とは?

通常、高額療養費は後から払い戻されますが、一時的に多額の現金を支払うのは大変です。事前に「限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)」を申請し、病院の窓口で提示すれば、支払いを最初から自己負担限度額までに抑えることができます。

  • 社会保険(協会けんぽ等)の場合: 勤務先または協会けんぽへ申請。
  • 国民健康保険の場合: お住まいの市区町村役場の保険年金課へ申請。

3. 負担をさらに軽減する「世帯合算」と「多数該当」

  • 世帯合算: 同じ世帯で、1ヶ月に21,000円以上の自己負担が複数ある場合、それらを合算して限度額を超えれば支給対象となります。
  • 多数該当: 過去12ヶ月以内に3回以上、高額療養費の支給を受けた場合、4回目以降の限度額がさらに引き下げられます。

4. 対象外となる費用

以下の費用は「保険診療外」のため、高額療養費制度の対象には含まれません。

  • 差額ベッド代(個室代など)
  • 入院中の食事代
  • 美容整形や自由診療
  • 海外での医療費(※別途「海外療養費制度」が適用されます)

5. マイナンバーカードによる手続きの簡略化

現在、マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、「限度額適用認定証」の事前申請が不要になります。

医療機関の窓口でマイナンバーカードを提示し、情報提供に同意するだけで、支払額が自動的に限度額まで調整されます。書類の郵送を待つ手間が省けるため、非常に便利です。

※オンライン資格確認を導入している医療機関に限ります。事前にマイナポータル等で「健康保険証利用の登録」が必要です。


6. 医療費控除との併用

高額療養費を受け取った後でも、年間で支払った自己負担額が一定額(原則10万円)を超える場合は、確定申告で「医療費控除」を受けることができます。これにより、所得税の還付や住民税の軽減が受けられます。

計算式:(支払った医療費の総額 - 高額療養費などの補填金) - 10万円


7. 申請の流れと注意点

「限度額適用認定証」を使わなかった場合は、窓口で一度3割分を全額支払い、後日申請を行います。領収書、申請書、保険証のコピーなどが必要で、払い戻しには通常2〜3ヶ月かかります。


まとめ

  • 高額療養費制度: 1ヶ月の医療費に上限を設ける制度。
  • 限度額適用認定証: 事前申請により、窓口での支払いを上限額までに抑えられる。
  • マイナンバーカード: 認定証なしで窓口負担を軽減できる便利なツール。
  • 医療費控除: 確定申告を行うことで、さらに税金が安くなる可能性がある。

【参考・相談窓口】

  • 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆様へ
  • 協会けんぽ:高額な医療費を支払ったとき
  • お住まいの自治体: 市区町村役場の「保険年金課」
  • ベトナム語サポート: 医療通訳・相談サービス「HICO」

執筆者:

外資系金融機関勤務・ファイナンシャルプランナー資格保有(日本育ちのベトナム人)

保険や行政手続きの知識を、在日ベトナム人の皆様へ分かりやすく発信しています。

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