.jpg&w=3840&q=75)
日本の公的医療保険制度には、「高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)」という心強い仕組みがあります。これは、1ヶ月の医療費が一定の限度額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。
入院や手術などで医療費が10万円を超えるような場合でも、自己負担額には上限があるため、経済的な不安を大きく軽減できます。この制度は、国民健康保険や協会けんぽなど、すべての公的医療保険に共通して適用されます。
この制度は、同じ医療機関で1ヶ月(月の初めから末日まで)に支払った保険診療の自己負担額(原則3割)を対象とします。この支払額が、所得に応じて定められた「自己負担限度額」を超えた場合、その超過分が支給されます。
所得区分 | 年収の目安 | 1ヶ月の自己負担限度額の計算式 |
区分 A | 約1,160万円〜 | 252,600円 + (総医療費 - 842,000円) × 1% |
区分 B | 約770万〜1,160万円 | 167,400円 + (総医療費 - 558,000円) × 1% |
区分 C | 約370万〜770万円 | 80,100円 + (総医療費 - 267,000円) × 1% |
区分 D | 〜約370万円 | 57,600円 |
区分 E | 住民税非課税世帯 | 35,400円 |
※加入している保険の種類や家族構成により、詳細な金額が異なる場合があります。
通常、高額療養費は後から払い戻されますが、一時的に多額の現金を支払うのは大変です。事前に「限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)」を申請し、病院の窓口で提示すれば、支払いを最初から自己負担限度額までに抑えることができます。
以下の費用は「保険診療外」のため、高額療養費制度の対象には含まれません。
現在、マイナンバーカードを健康保険証として利用すれば、「限度額適用認定証」の事前申請が不要になります。
医療機関の窓口でマイナンバーカードを提示し、情報提供に同意するだけで、支払額が自動的に限度額まで調整されます。書類の郵送を待つ手間が省けるため、非常に便利です。
※オンライン資格確認を導入している医療機関に限ります。事前にマイナポータル等で「健康保険証利用の登録」が必要です。
高額療養費を受け取った後でも、年間で支払った自己負担額が一定額(原則10万円)を超える場合は、確定申告で「医療費控除」を受けることができます。これにより、所得税の還付や住民税の軽減が受けられます。
計算式:(支払った医療費の総額 - 高額療養費などの補填金) - 10万円
「限度額適用認定証」を使わなかった場合は、窓口で一度3割分を全額支払い、後日申請を行います。領収書、申請書、保険証のコピーなどが必要で、払い戻しには通常2〜3ヶ月かかります。
【参考・相談窓口】
執筆者:
外資系金融機関勤務・ファイナンシャルプランナー資格保有(日本育ちのベトナム人)
保険や行政手続きの知識を、在日ベトナム人の皆様へ分かりやすく発信しています。